わが家には、この春から高校へ通う娘がいます。高校では給食が無いため、自宅から昼食を持っていくか、購買などで購入するかの方法になります。
娘は、本人の希望によって毎日お弁当持参で学校に通っています。
母親としては、なるべくおいしい状態で食事をしてほしいという思いもありますので、私は「保温弁当箱」の購入も検討しました。
しかし、保温できるということは「食中毒」にも気をつけなくてはならないリスクも上がるということを知っておく必要があります。
では、食中毒リスクをなるべく減らし、なおかつ「なるべくおいしいお弁当」を食べてもらえるようにするにはどのような対策が必要か?を書いてみたいと思います。
使用する弁当箱等は清潔に
まずは基本中の基本、お弁当箱や食具に対しての衛生管理です。
- 洗い残しが無いようにしっかり洗う
- 水気が残らないようにしっかり乾かす
- 使用前にアルコール消毒をする
- 洗浄後は素手で必要以上に触らない
- 衛生的な場所で保管する
この5点は基本中の基本です。お弁当作りにいくら気を使っても、入れ物そのものに「菌」が付着していたら台無し。せっかく衛生的に作ったお弁当であっても、「食中毒」になってしまうリスクが上がってしまいます。
おかずは注意!傷みやすいおかずは避けよう
おかずは特に傷みやすいです。
- 生野菜(特にヘタ付きのものは危険)
- とろみの付いたもの(カレー、シチュー、煮物など)
- 水分の多いもの(煮物、生野菜、煮びたしなど)
- 火が通り切っていないもの、またはその恐れのあるもの
生野菜
生野菜は、水分量が多く、時間が経つにつれて水分が出てきてしまうため、他の食材にまで水分に浸ってしまうリスクがあります。ミニトマトのヘタなどは、どんなに洗っても菌は取り切れないため、ヘタを取って使用することになりますが、夏場は控えたほうが良いでしょう。
とろみがついたもの
カレーや煮物など、とろみの付いた食事もお弁当としてはNGです。
カレーなど、とろみの付いた食材(根菜などの入ったものは特に)を常温に置いておくと、短時間(2時間ほど)でウェルッシュ菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクがぐっと上がります。10℃以下や75℃以上で保管できる環境であれば良いのですが、お弁当とするならば非現実的ですので、避けるべき食材ですね。
水分の多い食材や料理
生野菜同様、水分そのものが食中毒リスクを上げてしまうため、お弁当に入れる音は控えましょう。
火の通り切っていないものまたはその恐れのあるもの
半生の卵料理、しっかり揚がっているかわからない唐揚げなどは危険です。
卵焼きも唐揚げも「お弁当の定番」ではありますが、作る時は中心温度計でしっかり計測して中心温度が75℃以上で1分以上保持されることを確認するか、出来上がり後にカットして火が通っていることをしっかり確認するかが必要になります。(温度計推奨)
おかずは保冷必須
おかずはさまざまな種類を1か所に盛り付けることが多いため、複数種類あるおかずそれぞれに「食中毒リスク」の要因があり完全に防ぎきることが困難です。
ですので、「菌の繁殖を少しでも減らす」ことを目的とするのであれば、「保冷するに越したことがない」のです。
また、食事をとるまでの時間まで、保冷効果を持続できるような対策が必要となります。
- 保冷バック
- 保冷剤
- 凍った飲料ボトル
- 小型の発砲スチロール
- クーラーボックス
などを上手に利用できると良いですね。
ご飯の保温は大丈夫か?
保温弁当箱は、「ごはんのみ保温」できるものが多いです。多くの物は、基本的におかず部分は保温ができないような造りになっています。
結論から言うと、
- 基本的な衛生管理ができており
- 5~6時間以内に食べるのであって
- 熱々の状態の「白米」を入れる(60℃以上を維持できる)
のであれば、「大丈夫」です。(もちろん、どれか一つでも欠ける場合は、この限りではありません。)
カレーやチキンライス、チャーハンなどはダメです。
あくまで「白米」のみでとお考え下さい。
保温弁当箱はさまざまな種類のものが販売されていますが、私のおすすめは「ごはんの保温に特化したライスジャー」です。
信頼のできるメーカーのものであれば、安心して使用することができます。
しっかり保温ができる「ライスジャー」が無い場合は、購入するか、しっかり冷ましたご飯を詰めて、保冷をしっかりして持たせるかの2択となるでしょう。
食中毒を防ぐための基本をしっかり守りましょう
- つけない
- 増やさない
- やっつける
つけない
- 正しい手洗い
- 調理器具の使い分け(肉と野菜で器具を変えるなど)
- 使用器具等の洗浄消毒の徹底
- 素手で盛り付けない
- 正しい保管方法
- 調理する人の対象管理(嘔吐下痢の症状がある場合は、調理をおこなわない)
増やさない
- 迅速な調理(食材を常温に放置しない)
- 作り置きはしない(すぐに食べる)
- 温度管理の徹底(保温・保冷)
やっつける
- しっかり加熱!!(75℃で1分以上、ノロウィルスの汚染の恐れがある場合は、85℃で90秒以上)
さいごに
特に夏場は、
- おかずの保冷の徹底
- ご飯の保温の徹底
- 衛生管理の徹底
に気を付けることで、おかずは冷たいけれど、温かいご飯で美味しく昼食をとることができます。
夏はもちろん、冬場であっても油断をせず、安心・安全なお弁当作りを心がけましょうね。