勤務先の保育園では、夏にグリーンカーテンとしてゴーヤを育てていました。
ゴーヤの実は、苦いことで知られていますが、子どもたちは食べたことのない子もいて興味津々。ある日、「ゴーヤの調理をしてほしい」と給食室に依頼がありました。
とは言っても、あの独特の苦みはなかなか消すことが難しく、苦戦してしまいました。
さて、ゴーヤはどのように生まれ変わったのでしょうか?
ゴーヤってどんな野菜?
ゴーヤを知らない人はあまりいないとは思いますが、簡単に説明させてもらいますね。
↓ こちらは保育園で収穫したゴーヤです。
どんぶりに収まってしまうくらい、かわいらしいサイズのゴーヤです。
ゴーヤのワタは、徐々に赤くなり、種の周りにゼリー状の膜となって完熟となります。
実は、ワタそのものは苦いわけではないため、念入りにワタ取りをする必要もないそうです。簡単に取り除く程度でOK。
また、緑だった実も徐々にオレンジ色に変化し、完熟となるとはじけて種が「こんにちは」します。
↑ ゼリー状の膜は、とても甘くておいしいのですが、中に入っている種も炒って食べることもできます。ナッツのような香ばしさもありますが、種の中にもゴーヤの苦みがあります。
ゴーヤの下ごしらえ
まずは、できる限り苦みを和らげるための下ごしらえから。
- ゴーヤは洗って、ワタを取り除く。
- できる限り薄く切って、1:3の塩と砂糖をまぶして10分くらい置く。
- 2を水で洗い流して水気を絞る。
- 3を茹で、冷水にとって絞る。
塩は口に入った時の苦みを和らげ、砂糖は後味に残る苦みを和らげることができます。
また、何度か洗うことによって子どもでも食べることができるくらいの苦さにすることも可能です。
しかし、残念ながら「完全に苦みを取り除くことは出来ません」ので、悪しからず…
ゴーヤの調理
今回は、「子どもが食べる」という前提でのゴーヤ料理です。かなり悩みましたが、子どもが好きな「甘味」を利用して食べやすく調理しました。
ゴーヤの佃煮
ご飯に少し添えて食べるくらいがちょうど良い!ということで、少し甘めな佃煮を作ってみました。作り方はとても簡単です。
- ゴーヤを下ごしらえをする。
- 鍋にみりんを入れて少し煮詰める。
- 2に1のゴーヤと砂糖、しょうゆ、かつお節を入れて煮詰めて完成。
調味料の量は、お好み量でOK。甘めが好きな方は、砂糖やみりんを多めに、甘くないほうが良い方は、しょうゆを増やして作ってみてください。
気になる子どもたちの反応
大人でも好き嫌いが分かれるゴーヤですが、子どもたちの8割くらいは「おいしい」と言って食べてくれていました。
若干の苦みは残ってしまうものの、甘めの佃煮にしたため、ご飯との相性も良く、少量ずつの提供だったことも相まって、子どもたちは完食してくれました。中には「お代わり」する子もいて、「子どもはきっと食べないだろう」と思い込んでいた私たち大人は、ただただ驚くばかりでした。
ゴーヤジャム
ゴーヤジャムは、「完熟したゴーヤ」を使用します。
オレンジに変色(?)したゴーヤって食べることができるの?と疑問に思われるかもしれませんが、実が傷んでいない限り、食べることができます。
- ゴーヤの下ごしらえをする。
- 鍋に砂糖、少量のレモン汁を入れて、煮詰める。
- 2をブレンダーで滑らかにする。
レモン汁の代わりに果物缶のシロップを使うと、かなりフルーティーに仕上がります。
気になる子どもの反応
おやつのフルーツヨーグルトに乗せて提供しました。見た目はオレンジか黄桃のジャムっぽいです。でも、苦みは完全に消えてはくれませんでした。さて、子どもたちの反応は?
- 「オレンジの味がする」
- 「ぶどうの味がする」
- 甘くておいしい
- 全然苦くないよ
- お代わり欲しい!!
など、全くゴーヤと気づいていない様子。
途中でオレンジ色のジャムの正体を明かすと、どの子も目を見開いて驚いてくれていました。
ヨーグルトの酸味との相性も良かったのか、苦さがかなり軽減されており、結果として子ども(特に3歳児に好評)でも食べることができたと思います。
ゴーヤジャムの味がおいしいと知ってしまった3歳児クラスからは、「緑のゴーヤジャムも食べてみたい」とリクエストがあり、後日作ってみました。
↑ 完熟ゴーヤと比べるとやはり「苦み」は強く、子どもたちも「いまいち」…という反応でした(笑)
ところが、このジャム(?)何かに似てません?「あ、そーだ!!」と思いついてさらに作った品が次です↓
ゴーヤの簡単ジェノベーゼ風
見た目地味ですが、本日一押しです(笑)
今回は、ご飯に乗せる前提で作ったので、少し固めな仕上がりになりましたが、以前に流行した「食べるラー油」的な食べ方でも◎です。
- ゴーヤは下ごしらえする。
- 鍋にサラダ油(オリーブ油でも可)を多めに入れて、1とニンニクすりおろし(チューブ可)を入れて、軽く炒める。
- 塩でお好みの味付けにする。
今回は、ご飯に乗せて食べましたが、パスタとしてもおいしいであろう味に仕上がりました。ゴーヤの苦みは残るものの、ご飯や麵と混ぜてしまえば気にならない程度になります。
子どもも、もちろん食べることができましたが、これは大人から大好評の一品となりました。
さいごに
大人でも好き嫌いが分かれる食材であるゴーヤは、私自身も「買う」ことまではしませんので、調理自体は不慣れでした。でも、子どもたちが「おいしい」と言ってモリモリ食べる姿を見ていると、「がんばって調理してよかった」と感じます。
恐らく来年度からも、ゴーヤ調理をすることがあるかもしれませんので、食べやすいゴーヤレシピのレパートリーを増やしていけたらなと思っています。
さいごに一言
「子どもでもゴーヤを食べます」
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