日本の行事食で綴る1年

行事食

日本には、見た目もきれいでおいしい行事食がたくさんあります。今回は、そんな行事食を簡単に1年分書き出してみたいと思います。

4月の行事食

甘茶(4月8日)

お釈迦様の誕生日である8日前後に、甘茶で接待してお祝いします。

甘茶とは、アジサイ科のアジサイの変種です。若葉を蒸してもみ、乾燥させたものを煎じて茶葉を作ります。

甘みがあるお茶で、紅茶に砂糖を加えたような風味があります。

かつて子どもが通っていたお寺が母体の保育園では毎年、甘茶から作られた「甘茶飴」が園児に配られることもありました。(これがおいしい!!)

花見団子(花見の頃)

花より団子…ではありませんが、花見といえば花見団子ですね。

上からピンク・白・緑の3色から成り立っています。この3色には、「魔除け・邪気払い」の意味があり、縁起物とされています。
ひな祭りのひし餅といい、この花見団子といい、日本人は、この3色が好きなんですね…(^_^

皆さんは、どの色が好きですか?私はヨモギの香りが心地よい緑が好きです。

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5月の行事食

柏餅(5月5日)

言わずと知れた子どもの日のお楽しみですね。

2つ折りにした餅にあんこを挟み、柏の葉で包み込んだ和菓子です。

柏の葉は、新芽が出てきてから古い葉が落ちるということから「家系が絶えない」「子孫繁栄」と考えられ、縁起物とされています。

近年、餅の部分がヨモギ餅であったり、みそあんを使用したものなど味のバリエーションが豊富ではありますが、折角柏の葉でくるまれているので、柏の葉の香りが一番感じる、ノーマルな柏餅が1番!!だと、私は勝手に思っています(;^_^A

似たような和菓子で、「桜餅」もあります。あんこ入りの餅が桜の葉の塩漬けで巻かれています。柏餅と大きく異なるのは、桜餅は葉っぱごと食べることができることです。あんこの甘さと、葉っぱのしょっぱさのバランスが絶妙です!

ちまき

ちまきとは、餅やもち米を笹の葉などで巻いて蒸した食べ物です。

国内で食べられているちまきは大きく分けて2種類あります。

おこわのような食事系のちまきと、 和菓子系のちまきです。

愛知県育ちの私は、小さいころからちまきといえば和菓子系↓のものしか食べたことがありませんでした。

隣県に引っ越してきて務めた保育園のおやつで、ちまきを作ると言った時、まさかこうなる↓とは思っていなかったので、

ちょっと驚いてしまったことを思い出しました。

地域によって、食べられているちまきが違うことにも驚きでしたが、この2つって主食とおやつ。ジャンルが全く異なる気がして、なんだか納得いかないです(笑)

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6月の行事食

水無月(夏至)

三角形のういろうに甘煮小豆がのった和菓子です。
京都発祥の和菓子ですが、夏至の頃になると関東でも販売されます。

私はもちろん ういろうは好きです。しかし、小豆をのせて食べたことはありません。ういろう自体も 甘めの和菓子です。そこにさらに甘煮小豆をのせるとなると、結構甘い和菓子であることは想像できます。

ちょっと渋めのお茶と共に食べたい一品ですね。

7月の行事食

そうめん(7月7日)

天の川や織姫の機織りの織り糸に見立てられ、食されています。ですが、もともと縄のような形をした小麦粉のお菓子がルーツであると言われています。それが次にご紹介する、索餅(さくべい)です。

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索餅(7月7日)

先に紹介した、そうめんの前身と言われている食べ物です。小麦粉を練って縄状にし、焼いたお菓子です。実は当ブログでも以前、索餅について記事を書いたことがあります。

↑とは言っても、大昔の実際の索餅を口にしたことはありませんので、材料から想像で索餅を再現し、レシピ化してあります。

気になる方は、覗いてみてください!

うなぎ(土用の丑の日)

『丑の日に「う」のつく食べ物を食べると夏負けしない』という風習があったと言われています。「う」のつく食べ物とは、うなぎはもちろん、うどん、うし、うま、梅干し、うさぎ、うりなども指していました。

この中からうなぎのみが現代にも引き継がれています。

8月の行事食

精進料理(お盆)

昔はお盆の時期には仏教の「不殺生戒」の考えに基づいて、魚・肉・卵などを口にすることは厳禁とされていました。そのため、海藻・豆腐・野菜・キノコ・こんにゃくなどを使用した精進料理が食べられていました。

しかし、近年これらのことを気にしない人も増えていることから、必ずしも魚などを食べてはいけないということもなくなってきています。

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9月の行事食

おはぎ(お彼岸)

つぶしたもち米をあんこやきな粉などで周りを包んだ和菓子です。最近では、黒ゴマや青のり、カボチャあんを使ったものまで見かけるようになりました。

牡丹の花が咲くころに作られるものをぼたもち、萩の花が咲くころに作られるものをおはぎといい、両者は全く同じものを指します。

ちなみに「萩」は秋の七草でもありますね。(ハギ・オバナ・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・アサガオ)

保育園のおやつでもきなこおはぎ↓を作ります。

あっという間に簡単!きなこおはぎ

材料 (2個分)

  • 温かいご飯    160g
  • 砂糖        20g
  • きなこ       20g
  • 塩        ひとつまみ

用意する器具

  • ボウル(少し大きめ)2
  • めん棒またはマッシャー 1

作り方

①ボウルに砂糖ときなこを混ぜておく。

②もう一つのボウルにご飯を入れ、めん棒またはマッシャーで簡単につぶす。

③②を2つに分けて丸める。

④③を①に入れ、ボウルを持ってぐるぐる回すと勝手にきなこがまぶされます。ボウルをぐるぐる回します…⇓

グルグル回していくと…⇓

10回ぐらい回すと、手を汚すこともなく ↑こんな感じになります。出来上がり!

↑あ、ピンボケ…でも、程よくボケて適当感が薄れますかね(笑)

あんこ(特に粒あん)が苦手な子どもは意外と多いです。きなこのみで作ることによって、簡単&食べやすくなります。もちろんあんこを入れてもオッケーです。

保育園でも人気のおやつです!本日のおやつにいかがでしょう?

月見団子(十五夜)

お団子については以前の記事にも書いてあります。

見団子は十五夜にちなんで15個をうまく乗せてお供えすることが主流です。下の段から9個・4個・2個と積んでピラミッド型にします。
保育園では、豆腐を一緒に練りこんだ月見団子を作りました。

10月の行事食

栗ご飯、芋ごはん(十五夜・十三夜)

毎年、9月か10月に十三夜と十五夜の日があります。(その年によって変動アリ)

十三夜は別名「栗名月」と言われます。そして十五夜は別名「芋名月」と言われます。この両方の月見を行うことが、縁起が良いとされています。

栗ご飯も芋ごはんも、それぞれの材料と共に塩を入れて炊くととてもおいしいですね。余計な調味料は不要です。

11月の行事食

千歳あめ(七五三)

千歳あめの原料は餅米と麦芽です。これらを煮詰めて溶かし、棒状に伸ばして冷やし固めます。長い千歳あめを食べることによって、(千歳まで)長く生きられるようにという願いが込められています。ですが、長ければいいというものでもなく、

  • 太さ15㎜
  • 長さ1m以下

という決まりがあります。

1mの千歳あめって…。そんな長いあめは食べるのも一苦労ですね(笑)

ですが、千歳あめを切ったり折ったりしてはいけないというルールはありませんので、食べられるサイズに切って食べることをお勧めします(^_^

赤飯(七五三)

七五三に限らずお祝い事でよく食べられているご飯ですね。

もち米と米(2:1)を使用して30分ほど下茹でした小豆と一緒に炊き込んで作ります。もち米を使用しているのでモチモチの食感が楽しめますね。

でも、私は子どものころ赤飯が嫌いでした(笑)大人になった今では食べることもできますし、どちらかと言えば好きな食べ物になりました。
子どもの頃は、粒あんが嫌いだったのでおそらく赤飯も嫌いだったのだと思います(;^_^A

12月の行事食

かぼちゃの小豆煮(冬至)

元々は運盛りで「ん」のつく食べ物を食べると運気が上がるとされてきました。

  • なんきん(かぼちゃ)
  • にんじん
  • レンコン
  • 銀杏
  • きんかん
  • 寒天
  • うんどん(うどん)

これらの中から「なんきん(かぼちゃ)」が、当時に食べるものとして定着し、有名になりました。

「かぼちゃを食べると風邪をひかない」とよく言われていますが、これは体内でビタミンAに変わるβカロテンを豊富に含んでいるからなのです。ビタミンAの働きによって粘膜や皮膚の抵抗力を高めます。

また、小豆には疲労を回復するビタミンB1皮膚を丈夫にするビタミンB2、B6がとても多いのです。

一緒に煮ることによって、お互いの良いところがプラスされ、冬場を元気に乗り切る身体を作ることができるとされています。

年越しそば(大晦日)

そばはほかの麺類よりも切れやすいことから、今年一年の災厄を断ち切るという意味で大みそかの晩に食べるとされています。

讃岐うどんで有名な香川では、「太く、コシのある人生を」ということでうどんを食べる家庭も多く存在します。

一方、沖縄では「年越しソーキそば」を年越しそばとして食べる家庭が多いそうです。

ですので、そばアレルギーの方はうどんやソーキそば、そうめん、ラーメンなどで代用しても良いと思います。年の瀬には、晩御飯はちょっと豪勢にして、夜食そばを食べるという人もいるかもしれませんね。

今回は、日本の行事食をまとめてみたいと思います。知っているものがほとんどですが、食事を通して一年を振り返ることも良いかなと思います。

「日本にはこんな行事食があるんだ~。」という感覚で読んでもらえればと思います。3か月ごと全4回に分けて書いていきたいと思います。

1月の行事食

おせち料理(1月1日~1月7日)

元々、季節の変わり目などをお祝いする日(節日)に神様に備える食べ物を指していたようです。現在は、正月料理のみ「おせち」と呼ばれています。

おせちには、「子孫繁栄」「五穀豊穣」「財産」「魔除け」などの意味を持つ食べ物が詰められ、一族の無病息災、家内安全の願いが込められたものとなっています。

お雑煮

こちらも正月料理の代表ですね。

年神様にお供えした食べ物を煮て食べたことが始まりです。肉や野菜などさまざまな具が混ざって煮られることから「雑煮」といわれるようになりました。

お雑煮は国内でも様々な種類があります。

おもちの形は東日本は主に角餅、西日本は主に丸餅です。

お雑煮のだし汁は、すまし汁が最もポピュラーですが、白みそや合わせみそを使用する地域もあります。

昔、祖母に「お雑煮の餅は焼いてはいけない」と聞いたことがあります。火の神様を休ませるためであるとか、火事にならないようにだとか諸説あるようですが、今はあまり気にされる方はいませんね。

ただ、「上棟式」で投げられる餅は焼いてはいけません! 焼く=火事 を連想させ、縁起が悪いこととされています。

七草粥(1月7日)

せり・ナズナ・ゴギョウ(ハハコグサ)・はこべら・ホトケノザ(コオニタビラコ)・スズナ(カブ)・スズシロ(大根)

この7種が入ったおかゆを食べることで胃を休め、不足しがちな栄養素を取り入れることもできるとされています。

鏡開き(1月11日)

神様や仏様にお供えしていた鏡餅を下げて食べます。

汁粉や、雑煮などにして食べます。

鏡餅を刃物で切ることは切腹を連想し縁起が悪いとされているため、木槌で割って食べます。

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2月の行事食

福豆(2月3日)

炒った大豆です。節分のときにまきますね。

数え年の数だけ豆を食べる風習もあります。これは子どもの頃は、大人(特に祖母)がうらやましかった記憶があります。だって、たくさん食べることができますものね(^_^

恵方巻(2月3日)

当たり前のように使われている言葉ですが、恵方巻とは割と最近つくられた言葉なのです。(1990年ごろ~)

コンビニエンスストアのセブンイレブンが恵方巻として最初に売り出し、2000年ごろから全国的に普及、現在に至っています。

今では、セブン以外のコンビニや大手スーパーでも平然と「恵方巻」という名の巻き寿司を販売していますが、名付け親は「セブン」なのです。

ちなみに商標登録はされておらず、「恵方巻」という名で商品を販売することは現在のところ大丈夫なようです。

3月の行事食

ひし餅(3月3日)

お雛様と共に飾られている、かわいらしいおもちです。赤・白・緑の3色で作られているものが多いです。この色にも意味があり、

赤:解毒作用、魔除け
白:子孫繁栄、長寿
緑:厄除け、健康

となります。

ひなあられ(3月3日)

こちらもお雛様とともに飾られるお菓子ですね。

やはり、色に意味があり、

白:雪
緑:木々の芽
桃:生命

の意味が込められています。

地域によって形状が異なり、関東ではあられに砂糖をかけた甘い仕上がりのもの、関西では塩やしょうゆ味のしょっぱいものが多いです。

いがまんじゅう(3月3日)

こしあんを米粉でつつみ、赤・緑・黄色に染めたもち米を表面につけた和菓子です。

これはおそらく特定地域でしか食べられていないものですが、私は小さいころからなじみのある和菓子でした。ひなまつりの前後に期間限定販売され、春のお菓子としてよく食べていました。色合いも春らしく、カラフルなもち米を見て「私、黄色がいい!!」とよく言っていました(^_^

春に愛知県で購入できると思います。とってもおいしいですよ。

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さいごに

今回は、簡単に1年の行事食を書き出してみました。

日本には、自然にちなんだものや、成長や厄除け等の願いを込めて作られた和菓子がたくさんありますね。

保育園でも、可能な限り行事食を取り入れて、後世に「食にちなんだ日本の文化」を伝えており、時には子ども向けにかわいらしくアレンジすることもあります。

季節を感じながら食すこともおすすめです。

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