突如の震災、自然災害が発生したとき、保育園自体が被災している場合は休園になることもあります。
しかし、保育園の建物が無事であり、出勤できる保育士が確保できれば開園する場合もあります。こればかりは状況次第…なのですが…。
では、その場合は給食の提供はどうなるのでしょうか?今回は災害時の給食についてのお話です。園によっての違いはありますので、あくまで一例としてご覧ください。
災害時でも被害が何もない場合
園舎や給食設備に特に被害がない場合は、通常通り給食提供ができる可能性が高いです。ただし、道路状況によっては、食材の納品時間に影響があるため、献立自体の変更もしくは、提供時間の変更等はあるかもしれません。
開園時には通電するもそれまでの間に停電が起きてしまった場合
前日の閉園後から当日の開園までの間に停電が起きてしまった場合、冷蔵庫食材に悪い影響を与えている場合があります。停電によってすぐに野菜がどうこうはなりませんが、肉魚類・乳製品等は100%廃棄になってしまいます。
当日に業者からすべての食材を納品してもらえる園であっても、仕入れ先業者自体が停電の影響を受けてしまっていることも考えられます。
そうなりますと、給食を作ることがほぼ不可能になります。
ただ、開園時に通電していればご飯は炊けます。(ガス釜の園はガスが止まっていなければ)ご飯は炊けるので、汁物(具材はないか、乾物で対応)を作って軽食という形での提供は可能になります。
もちろん園によっての対応は違いがあります。
開園時間になっても停電が継続中の場合
開園時、停電が継続中の場合、そもそも保育園自体が休園になる可能性も大きいのですが、今回は保育園は開園する体で書きたいと思います。
停電をしているということは、冷蔵庫も止まっていますし、ご飯も炊けません。ガスが使える状況であれば、鍋でご飯を炊くということもできますが、近年火災のリスクを減らすために、IHコンロの園も増えています。(私の勤務先もそうです)
IHで停電…何もできませんね。
(防災用としてカセットコンロを準備している園では、簡単な調理は可能です。)
そういった場合は、缶詰や防災食(アルファ米など)での提供になるか、お弁当を持参してもらうことになってしまいます。
保育園で断水が起きている場合
仮に電気もガスも使えても、水が止まっている場合には残念ながら給食提供は不可能になります。園自体も閉園の可能性がかなり高いです。
その理由は、衛生問題です。
- 手も洗えない
- 調理器具やお皿も洗えない
- もちろん食材も洗えない
- トイレも流せない
安全な給食提供はできないですし、衛生的な保育も不可能になります。
保育園が休園にならない場合であっても、かなりの確率でお弁当を持参してもらうまたはごく短時間での保育となる場合が多いです。
南海トラフ大地震に備えて
西日本の太平洋側を中心に、南海トラフ地震が懸念されています。自治体にもよるところもありますが、静岡県では地震注意情報が発表された段階で、保育園は閉所になる可能性が高いです。
自宅にいるときは登園しないで自宅待機になります。
在園中に発表された場合には、順次保護者に引き渡しするようにと県で決まっています。
さいごに
今回は、給食提供を可能な限りすることを前提のお話でした。
もちろん災害時は、保育園そのものが被災している可能性もありますし、職員の家庭が被災している場合もあります。保育園が必ずしも開園できる状態ではないのです。
ですが、なるべく保護者の負担を軽くするために、ある程度の想定もしているのです。一番よいのは、非常事態が起こらないことなんですけどね。
そして最後にももう一回!大事なことを言います。
各園、必ず備蓄食はあります。
災害時でも食事の提供を可能な限り行えるように準備はしてあります。
しかし、園によって対応は違います。災害時は基本的に、いち早く子どもを保護者へ引き渡すような動きとなります。(自治体の指導の違いによるところも大きいです)
万一の時に向け、気になる方はご自身に関係のある園に、直接問い合わせされることをお勧めします。
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