保育園の食育活動一例(幼児クラス)

食育

保育園での食育活動は、幼児クラスになりますと子どもたちにもできることが増え、活動範囲が広くなります。今回は幼児クラスの食育の一例を書いていきたいと思います。

あくまで一例ですので、子どもたちの様子をしっかり見ながら安全第一で無理のない活動をおこないましょう。

3歳児(年少)

いわゆる年少さんクラスです。大人の話を聞くことのできる年齢にはなりますが、まだまだ月齢によっては発達に差がある年齢層です。

月齢の大きい子は比較的しっかりしていますが、月齢が低い子は特に年度初めごろはまだまだ危なっかしい行動をとってしまう子も少なくありません。

個人差が大きいのが特徴ですが、幼児クラスと呼ばれるようになります。

そんな、幼児クラスになりたての年少児に対する食育活動は、園児がどこまでできるのかを見極めてできる範囲で無理なくおこなうことが大切になってきます。

ベランダで育てられるくらいの簡単な野菜を育てる

あまり大掛かり過ぎない簡単な野菜を育てることも良いかと思います。

  • 二十日大根
  • ミニにんじん
  • ほうれん草
  • ピーマン
  • カイワレ大根
  • ミニ白菜

などが良いでしょう。

簡単なクッキング

大人の指示を聞くことができるようになるので、簡単なクッキングも行うことができます。

  • 団子づくり
  • クッキーの型抜き
  • サンドイッチづくり(自分の分)
  • 焼き菓子の生地を作ってから、型に流すところまで

など、刃物でない調理器具を中心に使用した食育活動が良いのではないでしょうか。

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4歳児(年中)

年中クラスになるとほとんどの子がしかっりと行動ができるようになります。この頃になれば、ホットプレートを使用したクッキングを取り入れても安全に配慮した活動がおこないやすくなります。

ホットプレートを使用したクッキング

  • ホットケーキ作りをしてデコレーションを各自する
  • お好み焼きづくり
  • スイートポテトづくり(一人1ずつひっくり返す)
  • クレープ生地作り後に各自で巻いて食べる

少し大きめな野菜を育ててみる

野菜の生長を観察することができる年齢になりますので、苗からでもよいので生長を感じる野菜にチャレンジしても良いと思います。つまり、花が咲いて実になるような野菜ですね。

  • キュウリ
  • トマト
  • いちご
  • ナス  など

 

5歳児(年長)

小学生1歩手前の学年です。保育園や幼稚園では一番のお兄さん姉さんになります。この頃になりますと、「何をしたら危険か?」「何をしたらケガにつながってしまうか?」と言う事も考えられるようになります。

ですので、『包丁を安全に使用する』事も学ぶことができます。

包丁を使用したクッキング

難しい切り方をさせる必要はありません。「半分に切る」「小口切りにする」くらいのことで良いです。ただ、子どもたちは「包丁でものを切ること」には慣れていませんので、まな板の上で安定させることのできる食材であると良いでしょう。

  • はんぺん(柔らかく切りやすく、転がらない)
  • ニンジン・大根・キュウリなど丸いものはあらかじめ半分に切っておき、転がらないように配慮する
  • 小松菜一人葉っぱ1枚ずつ切る(細かくなりますが、切りやすく、1枚づつ割り当てることで自分の切る分がわかりやすいので達成感を感じやすいです)

芋ほり体験

畑を借りることのできる環境の園では、年長児にサツマイモのつる差しから芋ほりまでの経験をさせてあげることもできます。掘ってきた芋を給食やおやつに使用することで、「僕たちが採ってきた芋で作った給食(おやつ)だ~。」と感じることもできます。そして、自分たちが採ってきたお芋はおいしいね~という喜びにもつながります。

焼きそばづくり

ホットプレートを使って、一つ上のことにチャレンジ!

お昼に食べる「焼きそばづくり」も楽しいと思います。ホットプレートが複数台あれば、4~5人くらいのグループごと実際に作ってもらうことも可能です。

出来上がった焼きそばは、その日の給食で食べます。

材料はあらかじめ切っておき、めんや調味料なども計量しておきます。基本、いれて炒めるだけの状態にしてから子どもたちにバトンタッチすることでも、子どもたちは不思議と「自分たちが作った!!」と感じるのです(^▽^)

もちろん、時間が許されれば切るところもやってもらっても構わないのですが、活動時間に限りがあることが多いので、それはその時の状況で判断するしかありませんね。

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全学年共通

読み聞かせ

食にまつわる絵本や紙芝居の読み聞かせを行います。場合によっては、その日の給食に使用されている食材に関する本を読むこともあります。

食の講座

保護者を対象とした「食に関するためになる話」をする場を設けることもあります。

  • 離乳食の進め方
  • 野菜調理の工夫
  • 簡単おやつの作り方
  • 効率の良い栄養の取り方、組み合わせの良い食材など
  • 保育園給食の提供に対する考えや、思い

などなど、例を挙げるときりがないくらい話題はあるのです。

子どもと給食調理員が一緒に食べる

給食調理員も子どもといっしよに食べることもあります。食事を作ってくれた人と一緒に食べることは子どもたちにとってもうれしいことのようです。

お話ができる年齢の子は、ダイレクトに給食の感想を言ってくれます。私たちも直接、子どもたちの反応を知ることができるので、お互いにとって良いことなのです。

おいしく食べることができるように体に生活リズムを定着させる

生活習慣はとても大切なことです。

朝決まった時間に起きて、朝食を摂ることは、一日の活動にはとても大切なことです。

起きる時間が遅くなってしまい、時間に間に合わなくて朝食を摂らないでいると、脳の活動が鈍くなってしまったり、イライラしやすくなったり、便秘がちになってしまったり…良いことはありません。

それは、昼食(給食)でもいえることです。

午前中の活動量が少なすぎてしまうとエネルギーの消費が悪く、「お腹空いた~」と感じにくくなってしまいます。適度な運動をする事で、おいしく給食を食べることができます。

運動した→お腹空いた→ご飯がおいしい!!と感じる。

これも立派な食育ですね。

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「魚には骨があること」など自然のものについて教える

大人にとっては当たり前のことではありますが、子どもにとっては「当たり前ではない」こともあります。

1つ例にするのであれば、「魚の骨」

保育園ではもちろん、子どもの安全に配慮して、基本的には骨抜き済みの魚の提供をしています。
家庭内でも、子どもが食べる魚からはあらかじめ親が骨をとってあげていることが多いと思います。

しかし、保育園で提供される魚も「絶対に骨が入っていない」という保証もありません。

ですので、魚料理の提供時には「魚の骨が入っているかもしれないから気を付けてね。」とアナウンスします。と同時に、「魚にも人と同じように骨がある」という事実も子どもたちに教えています。

(魚の骨に関しては、なるべく混入しないように配慮はしています)

さいごに

幼児クラスになると、食育活動の幅がぐんと広がります。しかしながら近年、加配が必要な子の増加や、保育士不足問題などもあり、安全に食育活動をすることも難しくなりつつあります。

保育環境に合わせて、無理のない範囲での活動をすることも大事なことです。

何もクッキングだけが食育ではありません。日々の生活の中で自然に取り入れることができる「食育」でも充分です。

子どもたちが「食」に対して興味を持つことができるように活動していきたいですね。

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