今回は、給食調理室の一日について書いていきたいと思います。行事などによって若干の流れの違いがあるときもありますが、通常はおおむね次の通りとなります。
8:00常勤職員出勤
常勤職員の出勤時間です。(園によって30分前後する場合がありますが、大体このくらいの時間の園が多いです。)
①出勤後すぐに調理室専用の白衣等に着替えます。間違っても、家から白衣を着て出勤してはいけません。次に健康観察をおこないます。
- 熱はないか
- 装飾品(指輪やネックレスなど)を身につけていないか
- 手や顔面に傷はないか
- 自身や家族に嘔吐や下痢の症状のものはいないか
- 白衣等は清潔なものを身につけているか
などを、所定の用紙に記録していきます。
②爪ブラシを使用して丁寧な手洗いを2回以上行い、手指のアルコール消毒を済ませます。
③調理台などを一通り消毒作業をおこないます。薄めた次亜塩素酸ナトリウムを噴霧し、布巾でふき取り後水拭きをします。
④その日に使用するお茶を沸かします。夏場は多めに沸かし、冬場は冷たくないように気を使います。90人定員の保育園で、22Lくらいのお茶を沸かしています。
お茶と一緒に、万一用に防災用のお湯も沸かします。
⑤前日のおやつに使用したお皿やコップなどが乾かされた状態で乾燥保管庫内に入っていますので、まずはそれを片付けます。
⑥下処理場で野菜の下処理をおこないます。肉や魚はカットされた状態で納品されますので、下処理が必要なものは野菜のみです。
8:30~9:00非常勤職員出勤
出勤時間にばらつきがありますが、やっていくことは毎日変わりません。常勤職員の項目の①と②はもちろんおこないます。その後は、
- 乳児の午前おやつの準備・提供(検食も出します)
- 下処理の終わった野菜のカット
- 各クラスにお茶を分ける作業
など、できるところから作業を進めていきます。
検食とは:給食提供前におこなわれる試食のことです。施設の責任者が行います。
集団給食の「検食の実施」と「検食の保存」とは?【給食提供時の事故を防ぐために】
9:30くらい~調理開始
各自、持ち場についてその日の調理をおこないます。
途中で、午前のおやつが終わった食器なども返ってきますので、片付けもしながら、昼食用の食器を用意しながら作っていきます。
また、乳児クラスは給食室で盛り付けまでをおこなわなくてはいけません。時間に間に合うように準備を行うことが求められます。(幼児クラスは保育室で配膳できます。)
10:45給食の検食を実施
給食開始の30分前までに検食を責任者に食べてもらいます。
11:15~配膳
0歳児クラスから順に配膳が始まります。給食職員は、2~3人で作業を行っていますので、全クラス一斉に提供することは不可能です。ですので、時間差で配膳していくのです。
それでも、一番最後のクラスも11:30ごろには部屋に給食が届いている状態にしなくてはなりません。ここは時間との勝負です。
給食室内が落ち着いていたら、幼児クラスまで配膳のお手伝いに行くこともあります。
12:00調理員も給食を食べます
全ての子どもたちが食べ始め、給食室内の片付けもある程度落ち着いたら、自分たちも給食をいただきます。幼児クラスまで行って、仲間に入れてもらって食べることが多いです。(令和3年現在は、コロナ禍ですので園児との会食はしていません。)
12:30下膳された食器を洗う
給食が終了してきたクラスから順次食器が下膳されてきます。休む間もなく洗い物作業が始まります。
ですが洗浄機や、食器乾燥保管庫などもあるので40~50分ほどあれば 大方片づけることができてしまいます。
13:30おやつの準備・業者からの納品・検収作業など
大体このくらいの時間から、午後のおやつの調理が始まります。勤務先の保育園では月に数回は市販のおやつ(せんべいやビスケットなど)を使用することもありますが、大体は手作りおやつを提供しています。
午後の落ち着いた時間帯になると、調味料や資材などを納品する業者の対応もします。
- 納品された品物の確認
- 伝票の確認
- 納品日、納品時間、温度湿度、品物の使用期限などの記録を取る
- 納品されたものの片付け
- 献立作成
- 納品書の整理
- 食材の発注
- 栄養価計算
- 在庫管理
- 園児の栄養管理 などなどがあります。
15:00おやつの配膳、非常勤職員退勤、掃除など
- 全園児のおやつを提供した後、短時間パートの人は退勤します。
- 手が空いていれば、栄養士は事務作業をします。
- おやつを食べ終わったお皿が戻ってきたら、順次洗っていきます。
- 給食室内の掃除を始めます。
- 調理器具のメンテナンスもおこないます(包丁研ぎやまな板の消毒なども)
- 保育士と「食育」について打ち合わせもします。
17:00常勤職員退勤
あっという間に一日が終わってしまいます。
その日に調理するものによっては、作業の手順やかかる時間なども全く違ってきます。ですので、帰宅前までには翌日の作業手順や、時間配分などはある程度考えておく必要があります。
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