給食調理で使用する調味料は加熱するべきなのか?

給食室はこんなところ

保育園給食は、食中毒のリスクを限りなく0に近づけるためとしてしっかり加熱されたものや、生食しなければならないようなもの(果物など)は、消毒を行います。

調理に使用する調味料やかつお節や海苔なども例外ではなく、加熱してから使用しています。(調味料を加熱するということは、特に取り決めはないようです)

調味料は必ず加熱するべきなのか?

実は、調味料に関しては加熱するしないの取決めは特に無いようなのです。調味料類は、製造過程でしっかり殺菌されているものばかりであり、流通前にしっかりとした検査に合格されたものであることが大前提となります。ですので、本来そのまま使用しても問題ないものなのです。保健所の監査でもそのことについて指摘されたこともありませんし、大量調理衛生管理マニュアルにもこれについては明記されていません。

ですが、ひと手間を加えることは決して悪いことではなく、より安全な給食を提供できるようにするため、勤務先の保育園では、調味料の加熱を基本としています。

では、なぜあえて「加熱する必要のない調味料をあえて加熱するのか?」というと、

  1. 加熱することで、衛生面でより安心できる給食の提供が可能になる。
  2. 合わせ調味料を作る時は、調味料同士がなじみやすくなり、味ムラを防ぐことができる。
  3. 余計な酸味を飛ばすことも可能。(酢やレモン液の場合)

などの効果があるからです。

ですが、すべての調理で「加熱調味料」を使用しているわけでもなく、その時その時の状況に応じて加熱調味料を使うことにしています。

煮物・焼きもの

煮物、焼き物、など加熱調理をするときに使用する調味料は、煮たり焼いたりするときに加熱されますので、そのまま使用します。

ただし、後からかけるタレやソースは使用する前に加熱しています。

和え物、サラダ

基本的に冷菜であることが多い和え物に使用する調味料は、砂糖や塩などを使用することも多く、これらは温かいものに入れたほうが溶けやすく味も均等になります。

ですので、和え物に使用する調味料も加熱しています。

酢は加熱しすぎると酸味が飛ぶので、私は酢以外の調味料をしっかり加熱してなじませた後に酢を入れて、パッと沸かして火を止める方法で合わせ調味料を作っています。

マヨネーズ

マカロニサラダや、ポテトサラダなどマヨネーズを使用するおかずの時もあります。

マヨネーズは加熱すると分離してしまいますので、そのまま使用します。

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乾物類は?

かつお節、ごま、海苔などの乾物類。これらも加熱して使用しています、フライパンで炒って使用する形になります。

加熱することによって、香ばしさも出て風味がかなり良くなります。火を通すという目的もありますが、香ばしさを出しておいしさが増すので自宅で調理するときでもおすすめです。

ちなみに、保健所の監査の時にはかつお節やごま、海苔を加熱してから使用しているのかという質問をされたことがあります。答えとしてはもちろん加熱していますが正解なのです。

さいごに

一度に多くの人が食べる給食ですので、食中毒のリスクは限りなく0に近いことに越したことはないのです。

調味料自体は、製造過程できちんと検査されているとはいえ、開封してしまったら使い切り終了でない限り、いつどこで汚染されるのかはわからないのです。沸かすことによって、安心して調味料が使用できるのであれば、毎回きちんと加熱した調味料を使用したいですね。

こういった一つ一つの手間が、安心安全な給食提供につながっているのです。

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