お子さんは食に興味をもっていますか?食に興味を持ち健康に育てるためにできることとは?

保育園で働いていると、様々な子と接することになるのですが、近年「食」に興味がない子が増えつつあるように感じます。

「食」に興味があるのかどうかは乳児期でもはっきりわかります

保育園の一番小さな0歳児クラスの子でも、食に興味がある子と、興味がない子の反応の差が大きく分かれます。

食に興味がある子の反応

給食が保育室に到着する段階でとても良い反応をします。

  • 「来たよ~!!」と声を上げる子
  • 手をたたいて喜ぶ子
  • 「お~!!」と興奮する子
  • 給食が来たことを保育士さんに伝えようとする子
  • 自ら食べ物を口に運んで食べようとがんばる子
  • 食具(スプーン)を使って食べようとする子

など様々です。

まだミルクしか飲めない子でも、時間になると「早く早く」とせかすような声を上げ、ミルクの飲みっぷりも貫禄があるくらいです(笑)

食に興味がない子の反応

反対に、食に興味がない子の反応は以下のような感じです。

  • 給食を見ても、無反応または自分の感情が最優先(眠たい・遊びたい など)
  • 食事中に椅子に座って落ち着くことができない
  • 食べ物を口元に持ってきてもらってもなかなか口を開けようとしない
  • 食事用でないスプーンやおもちゃなど、手に何か持っていないと落ち着けない子
  • おいしそうに食べることができない(表情で分かります)

これはミルクを飲む子にも同様な反応が見られ、空腹時であっても飲むペースが遅かったり、飲んでいる途中でも気が散って飲むことが止まってしまったりするのです。

兄弟がいる場合には兄弟間で同様な反応がみられます

兄弟が園内にいる場合には、その兄弟がどのように食事をしているのか、食に興味を持っているのかも見ることができます。

そして、兄弟間で同じであることの方が多いのです。

食に興味がある子は、その兄弟も好き嫌いが少なくよく食べ、給食が大好きであることが多いです。

反対に、食に興味がない子の兄弟はやはり食に興味がなく、おなかが空かないのかな?と心配になるくらい「食べること」をしたがりませんし、食事中にじっと座っていることもできません。身体ごと横を向いてしまったり、箸で遊んでしまったり、席に座っていることもできない子もいます。

残念ながら食事と向き合うことができないのです。

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幼少期に食に興味がないと何が困ってしまうのか?

食に興味がなくても、「おなかが空いたら何か食べるでしょ?だから大丈夫!」と思っていませんか?確かに、生命の維持のための本能として空腹になれば「食べる」でしょう。しかし、ただ生きるために食べるだけではダメなのです。

食の経験が少なくなる

通常は、子の親が栄養バランスを考えて離乳食から様々な食の経験をさせていくのですが、食の経験値が少ないと子の食べることのできる食材や味付けが制限されてしまい、毎回同じような献立での食事となってしまいます。

実際に離乳食をすすめるにあたって、
「うちの子、白いご飯が好きでいつもご飯(おかゆ)ばかり食べているんです。」
と言う保護者がいました。
この子の場合は、白いご飯は食べるのですが、野菜などは見るだけで泣きわめいて口に入れようともしてくれません。白いご飯を食べる経験はつんでいるものの、野菜を食べる経験が少なすぎたことによって野菜を受け付けない子になってしまっているのです。

食の経験が少ないまま大人になってしまうと、そのまま偏った「食」で人生を送ることになる場合が多いです。偏食であると、大人になってからの健康維持にも影響してしまいます。

身体の成長にも問題が出る

必要な栄養が取れないことによって、身体の成長に影響が出てしまうこともあります。

未就学児くらいの幼少期は、人生の中でも最も身体の発達が顕著な時期ともいわれています。

ハイハイができるかどうか位に入園した子も、卒園時には集団生活の中で自立して物事を行うことができるようになっているのです。数年の間に心も身体もぐんと大きくなる大切な時期なのです。

そのような大切な時期に、必要な栄養を摂ることができなかったら…。

子どもの発育の問題にも関係してきますね。

必要な栄養は、食事からとることが基本となりますので幼少期からの食への興味・食の経験はとても大切なことになります。

食に興味を持つ子に育てるために…

家庭内で簡単にできる「食への興味を引き出す方法」を書いていきたいと思います。

おなかが空くリズムを作る

基本中の基本ですが…。生活リズムをきちんとつけることが基本です。

人はやはり、おなかが空いたと思わないとおいしく食事をすることができません。3食の食事をおいしく摂ることができるようにするためには、「おなかが空くリズム」をしっかり習慣づけることになります。

幼いころからしっかりとした食生活のリズムをつけることによって、「決まった時間におなかが空く子」になります。おなかが空くということは、食べることが楽しみになるということです。

子どもの生活リズムは大人によって左右されてしまいがちです。

規則正しい生活リズムを意識してあげることで、1日3回の食事が楽しみな時間にしてあげることができるのです。

保育園、幼稚園、小中学校などの集団生活を過ごす場では決まった時間にお昼ごはんになります。お昼の時間(12時前後)を基準として朝食は7時半ごろまでに、夕飯は18時から19時ごろまでを目安に食べることができると良いですね。

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買い物へ一緒に行く

ただただ一緒に行くだけではなく、いろいろな食材を見る・触る機会を作ってあげることが大切です。

スーパーなどで子どもに野菜を選んでもらったり、ビニール袋に入れてもらったりするのも良いかと思います。

食事作りに参加

年齢に合わせてお手伝いをしてもらうことも有効です。

野菜洗い、野菜の皮むき、野菜を切る(年長児)、お皿を運ぶ…などなどいろんな形で食事作りに参加させることができます。

中でもおすすめは、「味見をさせる」ことです。

食事に影響しない程度の量にはなりますが、子どもに味見をしてもらうことで、食事の時よりも簡単に「ごはんはおいしい」と感じてもらうことができます。

大人でも、つまみ食いや味見の時は、いつもより「おいしい」と感じることはありませんか?これは子どもでも同じです。

食事時間ではない特別な時間にちょっとだけ食べてみることで、苦手だったはずのものでも意外と食べることができるようになるかもしれません。
ちょっとお味見してみる~?

は、魔法の言葉になってしまうのです。

親が子と一緒においしそうに食べる

おいしそうに食べている様子を子どもに見せつけるという方法です。おいしいものを食べたいというのは本能ですから、子どもの気持ちを上手に乗せることができれば食に興味を持てる子に成長していきます。

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さいごに

生まれてから人生の幕を閉じるまで一生付き合っていかなくてはならない「食」。その中でも生まれてから約3年の「食の経験」は、子どもの味覚を育てる最初で最大のチャンスなのです。特に離乳食をスタートさせる頃(生後5か月ごろ)は、味覚が一番鋭い頃とされています。このころにたくさんの食材や味を知ることで、その後の「好き嫌い」や「食に対する興味」が良い方向に変わってきます。

子どもにとっての「食の経験」は、一生の宝物となります。たくさんの食の経験から、必要な栄養をしっかり取れ、健康な身体を維持することも可能なのです。

「食に興味を持ち、なんでもしっかり食べる」ことはとても大切なことなのです。

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