意外と知られていない子どもに合った水筒の大きさと内容量

小話

暑い季節、身体からはたくさんの水分が「汗」として出て行ってしまいます。脱水状態にならないためにもこまめな水分補給が必要であることは周知されています。

また、こまめに水分をとることで「熱中症の予防」にもなります。

今回は、保育園や幼稚園、学校などに通っている子どもたちにどのくらいの水分を持たせているのか、また水筒の中身は何が好ましいのかなど、子どもの水筒事情について書いてみたいと思います。

熱中症対策や災害時の水分確保のために子どもの水筒持参がすすめられている

私が子どもの頃でも特に夏場は「各自水筒持参」と言われていました。

小学校以降になると学校に備え付けられている「冷水器」(足でレバーを踏み込むと水がピューっと出るあれです)があったりもしましたので、水筒を忘れてしまっても、のどの渇きを潤すことができました。

では今現在、保育園や学校ではどのようになっているのでしょうか?

保育園や学校での水筒の役割

我が家の子どもたちが通っていた園と私が勤務する園、子どもが現在通っている小中学校などの状況を総合して書いていきます。

私が暮らしている地域では、「南海トラフ地震」の警戒地域ということもあり、通園通学している子どもには1年中水筒を持ってくることをお願いされています

理由は以下の通りです。

  • 日常の水分補給のため
  • 万一の時(災害時等)のための水分確保のため
  • 感染症に配慮して

水分補給

日頃からの水分補給は、汗をかきやすい子どもにとっては大切なことです。

涼しい秋や寒い冬場でも常に動き回っている子どもたちは、脱水状態にならないとも限らないのです。また、乾燥しやすい冬場でも意識的に水分をとることで「口の中の乾燥を防ぎ、感染症予防にも効果」が期待されています。

災害時の水分確保

いつ来るかわからない巨大地震を含む災害などに備え、「万一の時のためのとりあえずの水分を確保できる」という考えから水筒持参が呼びかけられています。

感染症への配慮

特に身体が未発達の幼い子が生活をしている保育園では、自分の水筒を持っていることで「お友達のものと間違えるリスクが少ない」というメリットが生まれます。

例えば園でコップなどを用意する場合、ひとりひとり違うものを用意することは不可能です。同じ入れ物での用意となってしまうので、子どもの間で取り違えが起きてしまうリスクが増えます。

水分補給は1日1回ではありません。

何回も何回も繰り返していくだけで取り違えのリスクはどんどん上がっていきます。

では子ども間でのコップ等の取り違えで予測される危険とは?

  • 直接口をつけるものですので経口感染する病気に感染するリスクが上がる

事です。

風邪やインフルエンザなどはもちろん、今はだれもがコロナ感染に敏感となっている状況です。食器や食具の扱いには気を付けてはいますが、少しでもそれらのリスクを下げるためにも「マイ水筒」は欠かせないものです。

水筒の大きさや素材・形状はどのようなものが良いのか?

身体の大きさにも違いがあるので、ここでは幼児と児童に分けて書きたいと思います。

幼児に適した水筒とは

一見身体の大きさが小さい幼児は「それほど水分が必要にない」と思われがちですが、実は大人よりもはるかに水分を必要としています。

実は子どもから大人になっても、「汗腺」の量はほとんど変わりません。

汗腺とは「汗を作り、皮膚の表面に出すことで体温調整をしたり、少量の排泄作用をしたりする線」のことです。

幼児の小さな身体でも大人と同じ量の汗をかくということです。しかし、身体が小さいためもともと持っている自身の水分量も少ないのです。つまり、もともと少ない量しか水分を持っていないにもかかわらず、身体の大きな大人と同じだけ汗をかくということは…もうお分かりですよね。

そうです。体内の水分量の割合から、子どもは脱水状態になりやすいのです。ということで、子どもは大人以上にに水分が必要であるということです。

前置きが長くなりましたが、以上の点を考えると、

幼児に持たせる水筒の大きさは、600mL以上のものが良いとされます。 

しかしながら、600mLの水筒は3歳児4歳児くらいでは大きく感じてしまいます。(5歳児くらいでしたら充分です)大きくて重い水筒は低年齢の子にとっては持ち運びや扱いが大変なものです。

ですので、身体の小さい子は通常保育の日は350~500mLくらいのものでも良いです。多くの保育園では、子どもたちの水筒の中身が足りなくなってしまったら追加でお茶(または水)を入れてあげているからです。

ただし、遠足など園外保育の日にはいつもより多めの水分を持たせてあげるようにしましょう。

また、幼児用の水筒はキャラクターものも多く、軽いプラスチックのものもたくさん販売されていますが、おすすめはステンレス製のものです。

プラスチック製のものは軽いというメリットもありますが、保温保冷ができず水筒の中身が傷みやすいというデメリットもあります。

1つの水筒を長く使用したいのであれば、キャラクターものは避け大きめなステンレス製のものを選ぶことをお勧めします。

水筒についている紐も取れやすいものですとお子さんが扱いづらいですので、水筒ごとすっぽり入ってしまうタイプのカバーがついているものが使いやすいと感じます。

↓こんな感じの商品が使いやすいです。

コップ付きのものの方が衛生的には良いのですが、外での活動の多い幼児クラスの子はコップを転がしてしまうことも多いです。ですので、直のみタイプの方が子どもでも扱いやすいです。(ふたの開け方などはご家庭で練習してくださいね。)

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児童に適した水筒とは

小学校以上になると、学校側で水分補給をしてくれることがないので、自宅から持って行った水分がなくなった場合は、子どもが自ら水道水を汲むしかなくなります。

そうならないためにも、

真夏は800mL以上のものを準備するか、小さめのものを2つ用意することも有効です。

わが家でも2人の子どもたちに500×2本ずつ水筒を持たせていく日があります。素材は保温や保冷のできるステンレス製がお勧めです。

保育園の時とは違い、学校にいる間にお茶がなくなっても補充してくれる人がいないので、余裕を持った大きさのものを持たせてあげましょう。

中学生くらいになると、首からかけて持ち運ぶタイプの水筒を嫌がる傾向にあります(笑)その場合は、カバンに入れやすいスリムなステンレスボトルで用意してあげてください。

水筒の中身は何を入れるのか?

園や学校によっては「水のみ」という指定の箇所もあるようですが、多くの人は「麦茶」を持たせていると思います。

麦茶はノンカフェインであり生理機能の維持・調整にとって重要なミネラルも含んでいますので、大人はもちろん、乳幼児・学童期の子どもにとっても良い飲み物です。また、ミネラルは発汗と共に排出されますので、「ミネラルを補給する」といった点でも麦茶はとても効果的です。

また、味の感じない水より麦茶の方が子どもにも飲みやすくおいしく感じられるため、積極的な水分補給にも一役買ってくれます。

運動会などの屋外行事の時はスポーツドリンク可の学校なども増えてきました。

この場合は、スポーツドリンク使用可ときちんと明記されている水筒か、ペットボトルで対応すると安心ですね。

子どもに持たせる水分量はどのくらいが理想か?

ここでは、通学途中やお昼休みなどを使って飲料の購入ができる高校生は除いて考えます。

  • 未就学児はお茶のおかわりをもらうことができる環境であるならば夏は350~500mL、冬場でも少なくとも200mL程度の麦茶を持たせましょう。
  • 小中学生では、夏場は800~1200mL、冬場でも300~400mLは準備してあげたいですね。(中学生の場合は部活動などでも必要量が異なってきます。)
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さいごに

勤務先の園児さんの保護者の中には暑い日にもかかわらず、

  • 300mLほどのプラスチックの水筒に半分くらいしか入れてこない
  • 水道水を持たせる(氷も無し)

など、明らかに「子どもに合わせたお茶の量」とかけ離れた量の水分しか持たせてくれない方も見受けられます。

私たち給食職員は、子どもたちにお茶のおかわりをあげること自体は「大歓迎」なのですが、お茶の用意ができるまでには、沸かして→冷ましてと時間がかかることもあります。私たちが出勤したと同時にお茶があるわけでもありませんので、

少なくとも午前の3時間くらいは充分に足りるくらいの水分を持たせてほしいのです。

そして、保護者の方には子どもが小学校に上がる前に「お茶のおかわりが当たり前」という考えではなく、子どもが小学校に上がった時に「子ども自身が」困らないように、「子どもが飲む水分の量の把握」をしてもらえると良いかなと思います。

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